SE®-ソマティック・エクスペリエンス、ソマティック・エクスペリエンシング(Somatic Experiencing®は、ピーター・リヴィン博士により体系づけられた、私たちの生理機能を正常に戻すワークです。リヴァイン博士と日本語表記されることも多いのですが、誤りです。
トーク・セッションとタッチ・セッションがあります。
ソマティック・エクスペリエンシング®(Somatic Experiencing>)は、出来事(刺激)に対する自律神経系の働きをはじめとする生理的な反応を健康的な状態に戻すワークです。
近年は、スティーブン・ポージェス博士が発見した自律神経に関する新しい理論、多重迷走神経理論(ポリ・ヴェーガル理論)の強い影響を受けています。
自分の行動やふるまいのパターンを変えたいときにはそれにみあったスキルを身につける必要があり、必要なスキルを身に着けるにはマインドセットを変える必要があり、マインドセットを変えるためには価値観を変える必要があるということは、よく言われていることです(「USJがTDLを超えた日」森岡剛 著P.245を参照)。
マインドセットとは、経験、教育、先入観などから形成される思考様式、心理状態。暗黙の了解事項のことです(グロービス・マネージメント・スクールの用語集を参照した。http://gms.globis.co.jp/dic/00940.php)
しかしながら、見落とされがちなことがあります。価値観は生理的な反応に支えられているということです。そして、価値観、これは私たち自身の自己防衛が強いのかどうかということや、私たち自身への評価が高いのか低いのかということにもかかわります。
生理的な反応が健康的でないときに、精神論や説得で、問題になっていることを解決できることはできませんし、一時的にそれらで乗り切ることができても、私たち自身の生理的な機能に負荷がかかり、結果的に精神的にも肉体的にも私たち自身を追い詰めるだけです。
そこで、SEセッションでは、この生理的な反応を観察し、健康的な反応ができるように変わっていくことを重要視します。
心理セラピーによる再トラウマ化(悪化)はしばしば問題になりますが、ソマティック・エクスペリエンスは、生理的に未完了な反応を、統合可能な範囲で少しずつ行うため(タイトレーション)、再トラウマ化しにくいと言われています(「脳の中の身体地図―ボディ・マップのおかげで、たいていのことがうまくいくわけ」サンドラ・ブレイクスリー&マシュー・ブレイクスリー著 2009年 インターシフト刊の本文を参照した)。